【パブコメ】英国競争市場庁(CMA)によるAppleおよびGoogleのモバイルプラットフォームに対するステアリング行為要件(案)に関するコンサルテーションに意見を提出しました

2026年7月28日、一般社団法人新経済連盟は、英国競争市場庁(CMA)が実施するAppleおよびGoogleのモバイルプラットフォームに対するステアリング行為要件(Steering Conduct Requirement)の案に関する2件のコンサルテーションに対して、意見書を提出しました。

【意見提出の背景】
CMAは2025年10月、デジタル市場・競争・消費者法(DMCCA)に基づき、AppleおよびGoogleのモバイルプラットフォームを戦略的市場地位(SMS)を有するものとして指定し、2026年6月30日、両社に対する行為要件案として、アプリ開発者がアプリ内から外部の購入・決済手段へ利用者を誘導すること(ステアリング)を可能とする規制案を公表しました。規制案には、ステアリングに課される手数料が「公正かつ合理的」であるための原則や、ステアリングを行う開発者への差別的取扱いの禁止も含まれています。
新経済連盟は、日本のスマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)の立法・ガイドライン策定の過程やEUのデジタル市場法(DMA)の運用状況を踏まえ、モバイルOS・アプリストア市場における公正な競争環境の整備を一貫して求めてきました。今回の意見書では、形式的にステアリングを認めるだけでは実効性は確保されず、手数料の水準・画面設計・報告義務・迂回防止を一体として設計する必要があるとの観点から、規制案の具体的な条項について修正・明確化を求めています。

【意見の概要】
■ステアリングに課される手数料は原則としてゼロとすべき
外部の購入・決済手段への誘導に対して課される手数料は、原則としてゼロとすべきである。仮に手数料を認める場合であっても、当該取引に客観的に必要なサービスに直接帰せられる実費の範囲に限定されるべきであり、「価値」を根拠として費用ベースの水準を上回る手数料を正当化すべきではない。また、名称・決済時期・決済対象を問わず、ステアリングに関連するすべての課金を合算して評価する旨を明記すべきである。

■自社決済システムの並記を開発者に義務付けるべきではない
開発者が自らの判断で指定事業者の自社決済システムと外部誘導手段とを並べて表示することは妨げられるべきではないが、指定事業者が、自社決済システムの提供・維持をステアリングを行うための条件として開発者に義務付けることは認められるべきではない。仮に併記が認められる場合であっても、初期選択、表示順序、視認性、ボタンの大きさ、表示文言等において外部誘導手段が不利に扱われてはならない。

■警告画面は中立かつ一度限りとし、遷移の導線全体を保護すべき
外部への遷移に際して表示される画面(インタースティシャル)は、厳格に中立な内容とし、利用者が一度了承した場合には、同一のアプリについて原則として再表示すべきではない。安全性やプライバシーに関する一般的な不安を惹起する表現や、遷移先を信頼性の低いものとして特徴づける表示は認められるべきではない。また、規制の保護は外部リンクの形式的な設置にとどまらず、遷移先、遷移の導線・プロセス、セッションの継続性、遷移方法を含む導線全体に及ぶべきであり、WebViewの一律禁止も認められるべきではない。

■迂回行為を明示的に禁止し、実際の結果に基づいて実効性を検証すべき
個別にみれば限定的な措置であっても、累積すればステアリングを経済的・実務的に成り立たなくすることがある。名称を変えて課される手数料、過剰な報告義務、技術的な品質の低下、間接的な報復措置等を明示的に禁止するとともに、開発者による利用状況、外部での取引完了の割合、画面表示による離脱率といった実際の結果に基づいて実効性を検証し、必要に応じてより具体的な手数料規制へ速やかに移行できる仕組みを設けるべきである。
新経済連盟は、CMAが2026年内に最終決定を行い、速やかにステアリング行為要件を発効させることを求めるとともに、日本のスマホソフトウェア競争促進法の下でのステアリングの実際の運用状況を含め、引き続き必要な情報提供を行っていく。

※CMAによる本コンサルテーション(英語)については、Appleに関するものはこちらGoogleに関するものはこちらをご覧ください。
※意見書の全文(英語)はこちらをご覧ください。

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