「労働時間法制の選択的柔軟化と労働移動の促進に向けた提言 ー イノベーションを牽引する『意欲ある現場』の視点から」を公表しました

一般社団法人新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷浩史)は2026年10月26日、雇用・労働市場に関する政策提言「労働時間法制の選択的柔軟化と労働移動の促進に向けた提言 ー イノベーションを牽引する『意欲ある現場』の視点から」を公表しました。
現在、人手不足への対応と成長産業への人材シフトが急務となっています。一律の労働時間規制が意欲ある現場の人材の自律的な成長を阻んでいることに加えて、硬直的な解雇規制が人材の滞留を招き、合理的な組織再編や賃上げ・投資を停滞させています。こうした課題を打破し、自律的な成長を後押しする柔軟な制度の実現と、金銭救済などの明確なルールの下での円滑な労働移動を両立させる環境整備が不可欠であることから、本提言を取りまとめました。
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【基本的な考え方】
• 国際通貨基金(IMF)は、日本の名目国内総生産(GDP)が2027年に世界6位に転落するとの見通しを示しました。生産年齢人口が大幅に減少するなか、AIによる自動化等も労働力不足の完全な解決策とはなりえていません。
• さらに、日本人の仕事への熱意は世界最低水準とも指摘されています(GALLUP調査によると「熱意ある社員」の割合はわずか8%)。
• 多くの課題を抱える我が国が「強い経済」を実現するためには、現在の一律の労働時間法制や雇用慣行から脱却し、労働者の心身の健康維持と選択を前提とした「労働時間法制の抜本的見直し」と「円滑な労働移動の促進」が不可欠です。
• 新経済連盟は、イノベーションを牽引する「意欲ある」現場の視点から、選択的かつ柔軟な労働時間法制の整備と解雇制度の明確化を提言します。一人ひとりが可能性を最大限に発揮できるよう、「働きがい改革」を通して、労働生産性の向上と賃上げを目指すべきです。
【提言骨子】
Ⅰ.労働時間法制の選択的柔軟化に向けた提言
提言1. 裁量労働制の抜本的見直し
• 多様で自律的な業務実施やスタートアップを含む企業の円滑な事業遂行を後押しするため、裁量労働制について、現場の実態に合わせ、
1-1. 対象業務の拡大【企画業務型】
・特定の顧客向けの商品・サービスの企画、立案、調査及び分析を行った上で、それに基づき開発・提案まで行う業務(課題解決型営業)を企画業務型裁量労働制の対象業務とすべき。
1-2. 専従要件の緩和【企画業務型・専門業務型】
・複数領域の業務の兼務が不可避な場合には対象業務と非対象業務の混在が許容されるよう、裁量労働制における専従要件を緩和すべき。
1-3. 導入要件の緩和【企画業務型】
・労使委員会の設置が困難なスタートアップや中小企業等においては、過半数代表者との労使協定の締結等をもって、企画業務型裁量労働制の導入を可能とすべき。
提言2. 高度プロフェッショナル制度の拡充
• 労働政策審議会の議論の対象に「高度プロフェッショナル制度の対象の在り方」を含めた上で、現行の業種・職種要件を撤廃し、1,075万円以上の年収要件のみとするべき。
提言3. 次世代リーダーの育成等を趣旨とした新制度の創設
• 成長意欲があり一定の基礎能力を持つ労働者に対して、健康・福祉確保措置を前提に、労働時間に関する規定を一部適用除外とする制度を新設するべき(仮称:成長支援型労働制度)。
Ⅱ.円滑な労働移動の促進に向けた提言
提言4. 解雇無効時の金銭救済制度の早期導入
• 円滑な労働移動を促進し、社会全体の労働生産性を高めるため、政府で検討されてきた「事後・労働者申立型」の解雇無効時の金銭救済制度を速やかに導入するとともに「事後・使用者申立型」についても法制化に向けた検討を行うべき。
新経済連盟は、本提言をもとに、意欲をもって働く人々の声を政府に届け、持続的な経済成長のためにも働きがいをもって働ける社会の実現を目指してまいります。
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