骨太の方針等の閣議決定にあたっての代表理事コメント

一般社団法人 新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷浩史)は、『経済財政運営と改革の基本方針2026』、『日本成長戦略』等の閣議決定を受けて、代表理事のコメントを発表します。
2026年7月21日
一般社団法人新経済連盟
代表理事 三木谷浩史
記
1.政府の文書において、「強い経済」の実現に向けて危機管理投資・成長投資を中核とする「日本成長戦略」を推進し、AIトランスフォーメーション(AX)を成長の加速装置と位置付けたこと、またスタートアップ総力創出パッケージ等による支援強化が盛り込まれたことをまずは評価する。一方で、日本が「失われた35年」の停滞期を脱し、再び国際競争力を回復していくためには、戦略性のない「バラマキ」を厳に排するとともに、これまでの延長線上ではない、より踏み込んだ抜本的な構造改革が必要不可欠である。
2.世界から「人・知・財」を呼び込み、我々が提唱する『Japan Transformation (JX)』(=未来を見極める力を持ったアントレプレナー(実業家)たちが主役となり、その力を結集して日本を根本から変えていくこと)を実現するため、我々が経済団体として今まで主張してきた重点事項を改めて整理し、以下に示す。今後の政策の具体化や実行にあたってこの点への配意を強く求める。
①戦略的な税制の改革による国内投資の促進
世界でも稀に見る高い税率(法人税、所得税、相続税等)を引き下げて日本経済の活性化を促し、経済成長により税収を増やして再び国内投資へとつなげる「税と成長の好循環」を実現する。また、その観点から、日本に「人・知・財」を呼び込む上での阻害要因となり、スタートアップの促進にも逆行する、いわゆるミニマムタックス(極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置)は撤廃すべき。
②「働きがい」改革と労働市場の流動化
一律の労働時間規制から脱却し、高度プロフェッショナル制度の要件撤廃や成長意欲の高い労働者向けの新たな成長支援制度を創設するなど、労働時間法制の選択的柔軟化を行う。さらに、社会全体の労働生産性を高めるため、解雇規制の緩和等を含めた労働市場改革を断行し、円滑な労働力移動を促進する。
③スタートアップ・エコシステムのさらなる強化
スタートアップ投資額の目標達成に向けた政府の責任体制を明確化しつつ、スタートアップの出口戦略の多様化とリスクマネーの資金供給を促進するため、M&A活性化を阻害するミニマムタックスの撤廃やのれんの非償却化などを早急に実現する。
④AIの導入・活用と規制・制度のアップデート
「AI植民地」化を防ぐ観点から、国産AIの開発・導入を促進する。あわせて、AI時代に対応する迅速な規制・制度改革の枠組みを構築し、自動運転の実装促進やフィジカルAIの開発・活用推進、医療等データの利活用促進など、次世代産業の育成を後押しする抜本的な規制改革を行う。
⑤外国人材の戦略的な受入れと共生促進
人口減少や深刻化する労働力不足に対応するため、外国人材の受入れに係る中長期的な戦略策定及び必要な体制強化を行う。適正な在留管理の推進とあわせて、更なる共生促進の取組も実施する。
⑥デジタル経済下の経済安全保障の確保とイノベーションの両立
クラウドやOS・AIなどデジタル経済における不可欠な産業インフラを海外に過度に依存するリスク(デジタル小作人化)を打破するため、外国企業に対する公平・公正かつ徹底した法執行とともに、高リスク国にターゲットを絞ったデータ・投資に係るルール整備等の措置を講じる。一方で、個人情報を含む機微データの防護やサプライチェーンの強靭化などに向けた各種の規制措置・制度の導入にあたっては、自由な経済活動やイノベーションに悪影響を及ぼさないよう、対象を真に必要な範囲に限定する。
3.新経済連盟は、経済団体として、「民」がビジネスを通じて社会課題の解決に貢献し、日本経済と社会の発展に寄与できるよう、引き続き様々な分野において政策提言を行い、政府と連携協力していく所存である。
以上
提言・ニュース
