【パブコメ】英国競争市場庁(CMA)によるアプリストアルールをめぐる国際動向に関するCall for Evidenceに意見を提出しました

2026年4月22日、一般社団法人新経済連盟は、英国競争市場庁(CMA)が実施するアプリストアルールの最近の変更に関する意見公募(Call for Evidence)に対して意見書を提出しました。
【意見提出の背景】
CMAは現在、AppleおよびGoogleのアプリストアルールをめぐる国際的な動向を踏まえ、英国における将来のステアリング(アプリ外の外部決済への誘導)措置の在り方について検討を進めています。新経済連盟はこれまでも、モバイルOSやアプリストア市場における公平な競争環境の整備と、実効性あるルールの早期導入を訴えてきました。今回の意見書でも、日本やEUにおける先行事例を踏まえ、実効性のある制度設計を英国政府に求めています。
【意見の概要】
■外部決済への誘導に対する手数料のあり方について
外部決済への誘導に対して課される手数料は、アプリストア事業者がその決済取引に対し実際に提供したサービスに厳密に見合う範囲でのみ正当化されるべき。日本のスマホソフトウェア競争促進法(MSCA)やEUのデジタル市場法(DMA)のもとでの事例が示すとおり、名称を変えただけの多層的な手数料体系は外部決済を利用する経済的メリットを損なう。英国においても、名称や形式といった表面的なものではなく、代替決済チャネルの利用を実質的に阻害しているか否かを基準に手数料の妥当性を評価すべきである。
■外部決済利用時の画面遷移や導線のあり方について
アプリ外決済への誘導における実効性は、手数料の水準と同等かそれ以上に、ユーザーが外部決済に至るまでの操作画面や導線の設計に大きく左右される。外部リンクと自社決済の並列表示を義務付けたり、過度に危険性をあおる形で繰り返し警告画面を表示させたりすることは、実質的な競争制限として機能しうる。アプリ開発者が多様な手段でユーザーを外部へ誘導でき、ユーザー側もシームレスに外部決済へアクセスできるデザインが求められる。
■ プライバシー・セキュリティ上のリスクへの対応について
プライバシー保護やセキュリティ確保を理由とした制限的措置をとる場合、プラットフォーム側には具体的かつ検証可能な証拠の提示を求めるべき。正当な安全対策と、プラットフォームの商業的利益を守るために設けられた「意図的な障壁」とを明確に区別し、対応策は特定のリスクの程度に見合った必要最小限のものに限定されるべきである。
■ 広義のアプリストア規制改革との関係について
代替アプリストアの導入やサイドローディングの許可といったより広義の制度改革は、現時点でのステアリング規制の必要性を代替するものではない。諸外国の先行事例が示すとおり、形式的なルール整備にとどまらず、法の抜け穴や迂回策に対して強固かつ実効性のある独自の制度を英国として構築することが重要である。
※英国競争市場庁による本Call for Evidence(英語)についてはこちらをご覧ください。
※意見書の全文(英語)はこちらをご覧ください。
