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5月10日、会員セミナー「Aavishkaar-社会的インパクトと経済的リターンを高いレベルで同時達成しているアジア最大のImpact Investor-」を開催しました
5月10日、会員セミナー「Aavishkaar-社会的インパクトと経済的リターンを高いレベルで同時達成しているアジア最大のImpact Investor-」を開催しました。
今回講師をご担当頂いたのは、アジアで最大の社会的インパクト投資ファンドであるAavishkaarで、投資委員会メンバー兼アドバイザーを務めていらっしゃる橋本芳樹様です。
Aavishkaarは、インドでアーリーステージの社会的企業に対し投資を行うファンドとして、2001年に発足しました。現在は、その資金規模は2億ドル程度、56の社会的企業に対し資金供給を行っており、さらにインドネシア、スリランカ、バングラデシュにも展開しつつあります。
このファンドは、貧困地域等の生活改善を明確に投資目的として据え、これまで延べ5,600万人もの人々の生活を改善してきましたが、特筆すべきは、そうした大きな社会的インパクトと同時に、投資家に対し非常に大きな経済的リターンを生み出してきたことが挙げられます。
今回のセミナーでは、同ファンドが、通常のベンチャーキャピタルとは異なり、あくまでも投資対象である社会的企業が大きな社会的インパクトを生めるようになるまで成長することを目的としており、投資開始からイグジットまで比較的長期間を要すること、その一方で高い経済的リターンを確保できなければ資金を呼び込めないため、この点にもこだわっていること、そして、これらを同時達成するため、有望な投資対象の発掘、投資対象のビジネスモデル改善、投資対象のビジネスが想定どおりにいかなかった場合の原因分析等を徹底的に行っていることを紹介いただきました。
また、同ファンドでは、同ファンドを含むグループ全体で、エクイティ投資のほか、社会的企業に対する様々な資金規模の融資、コンサルティング等の経営支援や、社会的起業家と投資家とのネットワーキングの場づくり、社会的インパクトの測定フレームワークづくりを行っており、これらがインド経済圏における社会的企業の発展に向けてのエコシステムを形成していることを紹介いただきました。
現在、経済的インパクトとともに社会的インパクトを追求する社会的インパクト投資の流れが世界的に高まっていますが、日本の市場はいまだ小規模で、「社会的インパクト投資発展途上国」とも言える状況にとどまっています。そうした中、今回の会員セミナーは、日本における社会的インパクト投資の拡大に向けて大いに参考となる、非常に刺激的なものでした。
お集まりいただいた会員の皆様、ご質問いただいた皆様、そして講師の橋本芳樹様、どうもありがとうございました。
■参考:
・新経済連盟の提言「ベンチャー・フィランソロピーと社会的インパクト投資の促進に向けて」2017年4月27日
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