【パブコメ】人的資本可視化指針(改訂版)(案)に対して、意見を提出しました

一般社団法人 新経済連盟は2026年2月10日、内閣官房日本成長戦略本部事務局が募集した「人的資本可視化指針(改訂版)(案)」のパブリックコメントに対して、意見を提出しました。

【提出意見の概要】

1. 本資料の位置づけについて
本資料は国際基準への適合を目指して高度な開示を行うプライム企業等には有用と理解する。しかし、中堅・成長企業には現場改善に直結する現状の可視化が急務であり、本資料が要請する高度な開示の枠組みはハードルが高い。As-IsからTo-Beへの整合を図るため、まず何から着手すべきかといった導入の視点(First Step)や基礎的な測定手法も提示いただきたい。
また、規範性を有しない点は評価するが、事実上の義務とされる懸念もある。あくまで参照ガイドラインであり各社の独自性が優先されるべき旨、関係者へ周知徹底いただきたい。

2.人材戦略との連動について
人的資本の可視化は、投資家向けの情報開示にとどまらず、従業員個人のメリットと行動変容に直結するものであるべき。
例えば、「ジョブごとの報酬」と「当該ジョブに必要なスキル」をセットで可視化し、個人に焦点を当てた人材戦略へと深化させることで、従業員はどのスキルを磨けば収入が上がるかを明確に把握できるようになり、自律的なリスキリング(キャリアオーナーシップ)が加速することが期待される。個人の成長(スキルアップ・収入増)と企業の収益向上が同期するサイクルの確立こそが、人的資本経営を稼ぐための経営へと昇華させるエンジンであると考える。

3.4つの要素に従った開示について
人的資本可視化指針(2022年公表、以下旧指針)では、価値向上の観点とリスクマネジメントの観点が両輪として重視されており、特に旧指針28ページ掲載の「開示事項の階層図」は人的資本を攻めと守りの双方から整理する上で、多くの企業にとって有用な指針であったと思料する。
一方、本資料は国際基準との整合性を重視するあまり、リスク管理の側面が強調されすぎているように見受けられる。日本企業の強みである現場力や改善活動が、いかにして競争優位の源泉となり、PBR(企業価値)向上に結びつくのかというポジティブな価値創造ストーリーを可視化する観点を、旧指針から本資料への移行において明確に維持・強化するべき。

※提出意見の全文はこちらをご覧ください。

提言・ニュース