【パブコメ】「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針(案)」に対して、意見を提出しました

一般社団法人 新経済連盟は2025年12月11日、内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局 人工知能政策推進室が募集した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針(案)」のパブリックコメントに対して、意見を提出しました。

【意見の概要】
1. 手続きの適正性と期間の確保
本指針が「自主的な取組」を前提とする以上、産業界との協働は不可欠であるにもかかわらず、意見募集期間が約1週間と短く、産業界の声を十分に反映できない。1か月程度の十分な期間設定や、「指針骨子」から「指針(案)」への変更・具体化の過程の明示、具体的な記載のない脚注(例:脚注13)の解消など、的確な意見提出を可能にする適切な手続の実施を要望する。
2. 最新のセキュリティ技術の導入と要求
AIが大量の機密情報を取り扱い、サイバー攻撃が多様化・高度化する現状を踏まえ、「セキュリティ」および「十分な安全性の確保」の記述を、最新のセキュリティ技術と知見を駆使してリスク低減に取り組む旨に変更するよう強く要望する。これは、機密性の高い情報流出リスクに対処するためであり、EU AI ActやHAIPを牽引し国際協調を図る観点からも最新技術への言及が必要である。
3. 最新のプライバシー保護措置の導入と国際協調
AIの発展に伴うプライバシー懸念に対し、「プライバシー」の記載を「取り扱うデータの重要性等に応じて最新のプライバシー保護措置等の技術的手段により適切に保護すること」に変更することを要望する。国際的にプライバシー強化技術(PETs)の実用化が進み、EU AI Actが高リスクAIに最新の保護措置を求めているため、HAIPを牽引する立場として、最新のプライバシー保護措置への言及が不可欠である。
4. イノベーション促進とリスク管理のバランス
適正性確保を名目とする過度な規制や厳格なプロセス要求が、萌芽的な研究開発を実質的に阻害するリスクをはらんでいる。AI法が研究開発の推進も目的としていることを踏まえ、指針の運用においてリスク管理とイノベーション促進のバランスを重視し、初期段階の探索的活動への適度な失敗を許容する柔軟性を考慮するよう求める。また、活発な利活用を促すため、提供事業者への要求内容を軽減すべきである。
5. データ保有者が安心できる技術的基盤の整備と自己データ活用の推進
質の高いデータを確保し適正に活用するため、AI開発・提供事業者は、データ保有者が安心してデータを提供できるプライバシー及びセキュリティ基盤の整備に努めるべきである。さらに、国や地方公共団体は、国民・事業者が自己に最適化されたAI活用を可能にするため、医療・金融分野等の自己データをAPI等により安全かつマシンフレンドリーに収集・連携できる環境を政府の責任で整備すべきである。

※提出意見の全文はこちらをご覧ください。

以上

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