【パブコメ】厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十六条の十一第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品(案)」及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百五十九条の十八の六第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める数量(案)」のパブリックコメントに意見を提出しました

2025年12月12日、新経済連盟は、厚生労働省がパブリックコメントを実施した「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十六条の十一第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品(案)」(以下、「指定濫用防止医薬品の指定告示」)及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百五十九条の十八の六第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める数量(案)」(以下、指定濫用防止医薬品の数量告示)に対する意見を提出しました。

【提出意見の概要】
1. 全体を通した意見
• 市販薬の過剰摂取防止策は、販売時点での対応だけでなく、孤独や孤立への対策や普及啓発も含めた政府全体の取組として進めるべきであるとされているが、購入方法を対面等に限定する今般の規制が対策として効果的であるのか、客観的・科学的根拠に基づき検討がなされるべき。また、医薬品の価格の推移や適正利用者による医薬品へのアクセスの観点も踏まえ、合理的かつ効果的な規制であることが確認できない場合は制度の見直しを行うべき。

2. 各告示に対する意見
(指定濫用防止医薬品の指定告示)
• 今般の制度改正は適正使用者の医薬品へのアクセスが大きく阻害されることから、濫用防止と利便性のバランスに配慮して従来のネット販売を継続すべきである。さらに、今回の規制対象の医薬品には風邪薬や抗アレルギー薬など日常で使用するもの、飴など現実的に多量服用が困難であるものが多く含まれていることから、含有成分で一律に規定するのではなく、濫用の実態も踏まえた上、濫用防止と利便性のバランスに配慮した制度設計がなされるべき。
• この度の制度改正により、現行制度と比べて規制対象となる医薬品は増えるが、新たに対象となる医薬品には、メジコンなど医療用医薬品の供給不足により市販薬での代替が行われていたものも含まれている。市販薬の濫用それ自体は極めて大きな社会的課題であり、その対策を行いつつも、適正使用者がこれまでどおり必要量の医薬品を入手できるよう、濫用と利便性のバランスに配慮した制度とすべき。
(指定濫用防止医薬品の数量告示)
• 市販薬には、症状が出る前や、症状が出たときに備えて自分や家族の分も購入しておくという常備薬の機能があるが、一律に1回購入あたりの量を規定し、その量を超える場合にネット販売を禁止するという方法は、セルフメディケーションや医薬品へのアクセス確保の視点が欠落している。さらに、今般の規制では、1回あたりの購入量にしか着目しておらず、履歴管理をしたうえでどのくらいの期間にどのくらいの量を購入している場合に注意すべきかなど、濫用防止の観点での判断基準やその判断を可能にする環境整備は行われておらず、濫用防止策としては機能せず、ただ単純に、適正利用者も不適正利用者も関係なく購入のハードルを上げるだけになる可能性がある。
• 18歳以上であっても、一度に5日分(かぜ薬、鼻炎用内服薬又は解熱鎮痛薬は7日分)までしか従来通りの市販薬のネット購入ができなくなる場合、家族分の市販薬の購入ができなくなるなど適正使用者の医薬品へのアクセスが大きく阻害されることから、少なくとも基準は一律に7日分とすべき。
• 使用者の年齢等によって1日分の容量が異なる医薬品もあることから、1日分の数量に関する定義を明らかにした上で、過度な規制とならないよう、また、国民に理解がされやすいよう、制度設計を行うべき。

※提出意見の全文はこちらをご覧ください。
※本パブコメについては以下をご参照ください。
指定濫用防止医薬品の指定告示
指定濫用防止医薬品の数量告示

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