【パブコメ】内閣官房デジタル市場競争本部事務局の「モバイル・エコシステムに関する競争評価 中間報告」及び「新たな顧客接点(ボイスアシスタント及びウェアラブル)に関する競争評価 中間報告」に対し意見を提出しました

新経済連盟は2022年6月10日、内閣官房デジタル市場競争本部事務局の「モバイル・エコシステムに関する競争評価 中間報告」及び「新たな顧客接点(ボイスアシスタント及びウェアラブル)に関する競争評価 中間報告」に対し意見を提出しました。

【提出意見】
提出した新経済連盟の意見はこちら
※会員企業からも意見を提出いただきましたが、意見内容から提出元が推測されるおそれがあるため、当該部分を削除して掲載させていただきます。

 

【提出意見の概要】

  • モバイル・エコシステムの強固な寡占構造による弊害は、具体的には、アプリストアがアプリ開発事業者に課す高額の手数料(基本的に売上の 30%)として現れている。アプリストアは、スタートアップ企業が成長していく際にも顧客接点として極めて重要であることから、手数料問題を解決することは、競争政策の観点からだけでなく、スタートアップをはじめとする日本全体の産業を興すことにもつながる。
  • 海外では Spotify や Epic Games といった近年急速に成長してきたスタートアップ企業が、モバイル・エコシステムを支配するプラットフォーム事業者に対し、訴訟等を積極的に行っている。これは、モバイル・エコシステムの寡占構造による手数料問題の解決がスタートアップ企業にとって生命線であることを端的に示すものであると考えられる。日本においても本問題に早急に対応することが求められる。
  • モバイル・エコシステムにおける既存の競争法上の課題について、中間報告ではこれまでの競争法とは異なるアプローチを考えていく必要があるとしている。しかし、個別の市場状況を適正に評価し、市場の状況にあったきめ細かい対応をしていく点において、事後規制である競争法の活用は有用である。
  •  諸外国では、一定の行為を競争に悪影響を及ぼす危険性の高い行為と位置づけ、事前に原則禁止するアプローチも検討されている。事前規制は、迅速に課題に対処するという意味では有効な手法であると考えるが、一つ間違えればイノベーションを阻害する両刃の剣となりかねない危険性も内包していると考えられる。そのため、仮に事前規制の手法を取る場合には、対象を極めて限定し、必要以上に広範な規制とならないよう十分に配慮する必要がある。
  • この点、韓国の改正電気通信事業法や米国の Open App Markets 法案がモバイル・エコシステムにおけるプラットフォーム事業者に対するピンポイントの事前規制である一方、欧州の DMA 法案は、より広範に大規模プラットフォーム事業者一般に対して事前規制をかけるものと理解している。欧州 DMA 法案と同種の広範な事前規制を日本で行うことについては、イノベーション阻害の危険性が高いと考えられることから、反対する。

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