今回のセミナーでは東京大学産学共創本部FoundXディレクターの馬田隆明様と、新経済連盟の会員でもあるソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナーの熊沢拓様を講師としてお迎えし、「インパクト投資で未来を実装する」というテーマでご講演頂きました。

コロナ禍で、テクノロジーの社会実装がDXという言葉とともに急速に進もうとしています。馬田様からは、1月に刊行されたご著作「未来を実装する」に基づき、成熟社会においてテクノロジーの社会実装を理想（＝インパクト）の設定から始めることの重要性、また法律・アーキテクチャ等、ガバナンスのあり方にも積極的に関与していくことの必要性などについてご解説頂きました。また、熊沢様からは、インパクト投資の観点から、社会実装に成功した企業の事例や成功のための要件、リスクへの対応などについてご説明頂きました。

約70名の参加者の皆様からは、「必要以上のリスク回避に陥らず、リスクとベネフィットの公平な評価が行われるようにするためにはどうすればよいか」といった質問や、「グレーゾーン領域での事業開発を検討する場合、事業のどの段階からの透明性やインパクト面での説明責任を意識すべきか？」など、活発な質問が寄せられました。

テクノロジーの社会実装にあたって、企業戦略と公共政策のシナジーの必要性が一層高まる中、新経済連盟の果たすべき役割もますます重くなってきていると認識しており、引きつづき積極的に政策提言を行うとともに、皆様の関心の高いテーマについて、今後もオンラインセミナー等を企画していきたいと思います。