早期の海外往来再開に向けての三木谷代表理事コメント

  1. 現状の水際対策について
    ・新型コロナウイルス対応の水際対策により、ビジネス上必要な人材の出入国スキーム(ビジネストラック、レジデンストラック)は、昨年1月以降停止状態が継続している。また、留学、家族滞在等の在留資格による新規入国も同様に停止状態が継続している(注)。さらに、帰国者を含むすべての入国者は14日間の自己隔離が求められるとともに、一部の国に滞在歴がある者は一定期間指定ホテル等に待機することが求められている。

  2. 現状の水際対策の問題点について
    ・上記の水際対策は本年2月末まで継続することとされたが、このように長期間にわたり、在留資格認定がなされている外国人であっても入国できない状態が継続すること、国内居住者の海外出張もままならないこと等により、ビジネス上の支障は拡大している。
    ・このような状態がさらに継続すれば、経済回復過程での人手不足が強く懸念されるとともに、日本が排他的な国との認識が広がれば、中長期的にイノベーションの阻害要因にもなりかねない。

  3. オミクロン株の特性等を踏まえた水際対策
    ・オミクロン株については重症化リスクが低いことや潜伏期間が短いことが指摘されており、欧米の例を見ても、無症状の者がPCR検査で陽性とされる例が多くなっているなど、エビデンスが積み重ねられつつある。また、こうしたことを踏まえ、欧米でも水際対策は徐々に緩和されている状況にある。
    ・加えて、日本ではワクチンの2回接種者が既に人口の8割近くに達し、ブースター接種も始められており、経口摂取薬の確保も徐々に進むなど、国内の対応も次第に進んでいる状況にある。
    ・こうした中、現在の厳格な水際対策を継続することは、上記のとおり社会・経済に甚大な悪影響を及ぼすものとなりかねない。政府におかれては、重症化リスク等に関するエビデンス、国内におけるワクチン接種実績、経口摂取薬の確保状況等を踏まえ、早期に新規入国を再開するよう求める。また、ワクチン接種者の自己隔離等については、海外での接種実績を国内接種実績と同様に扱うとともに、早期に期間を撤廃することを求める。

(注)昨年11月5日には一時的にビジネス関係者・留学・技能実習生等の新規入国再開が発表されたものの、その後、オミクロン株対応のため、同30日から全ての国からの新規入国が停止となった。

提言・ニュース