9月29日、「英語入試・英語教育に関するコメント」を発表しました。
2015年9月29日、文部科学省「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」が開催され、新経済連盟教育改革PTとして、下記の通り、英語教育充実の観点からコメントを発表いたしましたので、お知らせをいたします。
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英語入試・英語教育に関するコメント
2015年9月29日
一般社団法人新経済連盟
教育改革プロジェクトチーム
本日、文部科学省「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」が開催され、新経済連盟教育改革PTとして、英語教育充実の観点から発言を行った。発言内容のベースとなった基本的考え方を以下に記す。
1.英語教育充実の必要性
■グローバリゼーションの進展の中、ビジネスをはじめ、どのような活動を行う際にも国際社会との関わりは不可避であり、今後、日本人は、これに耐え得るコミュニケーション能力、情報発信力を備えることが求められる。中でも、国際共通語である英語の能力は、グローバルな舞台で活躍する者はもちろん、あらゆる職業、あらゆる分野で活動するために必須となる「21世紀型素養」の核となるものと言える。
■わが国が今後、国際社会において競争力を維持・拡大していくには、国民の英語能力、とりわけ、コミュニケーション能力・情報発信力を高めていくことが不可欠である。今後、あらゆる場面でわが国と直接的な競争および協働相手となるアジア諸国は英語の早期教育に既に着手しており、国際的な舞台でこれらの国々とやりとりするには、わが国も遅れをとるわけにはいかない。
2.目指すべき姿
■上記のような英語教育充実の必要性に鑑み、目指すべき姿として以下を提示したい。
・高校卒業時に「聞く・話す・読む・書く」の四技能を積極的に使える英語力を全国民が備える。
・「社会に出たら英語を使うことが当たり前」「英語ができなければ就職できない」というような、英語が社会で生きる上での必須能力であるとの認識を形成し、また、実際に日本社会がそのような環境となる。
・学校が日常的に英語に触れることのできる場となり、小中高校からの海外留学が珍しくない環境となる。
3.大学入試における英語について
■1・2を踏まえて、現在行われている大学入試改革に関する議論については、以下の点を意見として述べたい。
・昨年12月22日に発出された中央教育審議会の「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)」では、センター試験に代わる学力評価のための新たなテストにおける英語評価について、民間の資格・検定試験を積極的に活用する旨が述べられている。
・また、本年8月27日の高大接続システム改革会議「中間まとめ」においても、「四技能を重視する観点から、民間の資格・検定試験の知見を積極的に活用することについて、民間団体との具体的な連携の在り方を検討する。」と明記されている。
・加えて「中間まとめ」においては、「平成32年から英語については、書くことや話すことを含む四技能を重視して評価する(「中間まとめ」P.42)」と明記されており、平成32年からの4技能の試験実施に向けて、民間団体との連携の在り方について作問・運営・採点等に関する具体的な実施体制も含めて早急に検討をすすめるべきである。
4.英語教育全般について
■この他、英語教育全般について以下の点に留意しながら更に充実に向けた検討を進めるべきである。
・「平成26年高校3年生の英語力調査」の結果からも明らかなように、英語授業の中でスピーチやプレゼンテーションを実施している時間は少ない。上記の必要性・目指すべき姿に鑑み、特にコミュニケーション能力や発信力を強化する教育に注力すべきである。
・そのためにも、小学校から英語の授業時間を増やし、小中高を通じて四技能をバランスよく育成するべきである。また、入試においても四技能を測定するべきである。
・英語教育の充実には「教える側」が高い教授能力を持つことが必要であるため、教員の能力向上施策を更に進めるとともに、外部人材の活用のための環境整備も推進すべきである。