2018年3月5日、会員セミナー「人づくりの新たなカタチ~前原小学校の事例から~」を行いました
新経済連盟「教育改革PT」では、教育へのICT導入・EdTechの推進について今後積極的に発信をしていく予定ですが、その準備段階として「教育の未来とICTの役割~先進事例から見る現状と課題~」と題した数回の勉強会を開催することになり、今回はその第三回目となります。
今回は講師として、小金井市立前原小学校校長の松田孝様をお招きいたしました。学校現場でのICT活用の先進事例として注目されている小金井市立前原小学校の取り組みを通じて、テクノロジーを用いた新たな人づくりの在り方についてお話しいただきました。
講師:松田孝様(小金井市立前原小学校校長)
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講演概要
【学校の本来あるべき姿とは】
・子どもの未来に責任をもつ教育を展開する場
・子どもの生きる時代と必要な技術を学ぶ場
【昭和から変わらない学校】
・時代はどんどん先を行っているのにもかかわらず、教育現場は昭和のまま止まってしまっている。授業の指導法も学習内容も教室環境も古いままである。
・タブレットや電子黒板を導入している学校でも、新しい「学び」に向かうICT活用はほとんどできていない。
・この現状を変えることができるのが、プログラミング教育。
【新しい教育のトリガーであるプログラミング教育】
・プログラミング教育では、タブレット等の端末の使用が必須。現在、情報端末を活用できていない学校でも活用できる。
・情報端末はもはやインフラであり、「学び」を激変することができる。
・今、先行して試行的に行われているプログラミング教育は、いわゆる、決まったアルゴリズムを教えるという昭和の指導。そういう教え方ではなく、子どもの「こんなことをやってみたい」を育てる、子どもの自由な発想を育てるのが、プログラミング教育が志向する本来の「学び」。
・プログラミングでの「学び」の事実(子どもの姿)を、他の科目にも展開していきたい。
【2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化】
・誰がプログラミングを教えるのかが、問題となっている。
・教えられる人が居ないからといって、民間に任せてしまうのは良くない。小学校だからこそ、子どもたち一人ひとりを知り尽くした学級担当が教えるべき。
・民間がかかわるのなら、例えば、非常勤講師枠の積極的活用が考えられる。教員免許を持っている民間の方が、責任をもって授業を担当することは可能ではないのか。
【前原小学校での取り組み】
・小学校1年生から6年生まで、学年ごとに異なる多彩なプログラミング授業を実践。
・小学生向けのプログラミング教育でおなじみの「スクラッチ」等のビジュアルプログラミング言語だけでなく、ゲーム「マインクラフト」や「アルゴリズム」絵本、ロボット等を採用している。
・プログラミングの中で、科学、技術、工学、数学(STEM)を学ぶことができる。
【これからの学校】
・今の教育現場を変えたいと思っているイノベーティブな校長、魅力のある授業を作りたいと思っている教員は全国にいる。
・そのような熱い思いをもった方々がもっと積極的に民間と連携し、事例を作っていることが必要。
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松田様の講演の中で、実際にプログラミング授業を受けている子ども達の動画をいくつかご紹介いただきました。子ども達は、本当に楽しそうな笑顔で授業に参加しています。本来の「学び」とは何なのか、今一度考えさせられました。
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