2018年1月23日、会員セミナー「ネット X 教育の可能性 -N高等学校の取り組みを通じて- 」を行いました

新経済連盟「教育改革PT」では、教育へのICT導入・EdTechの推進について今後積極的に発信をしていく予定ですが、その準備段階として「教育の未来とICTの役割~先進事例から見る現状と課題~」と題した数回の勉強会を開催することになり、今回はその第二回目となります。
 
今回は講師として、N高等学校副校長の上木原孝伸様をお招きし、ネットを用いた通信教育学校として大注目されているN高等学校の取り組みを通じて、教育におけるインターネット・ICT活用の可能性についてお話ししていただきました。
 
講師:上木原孝伸様(N高等学校副校長)
 
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講演概要
 
【N高等学校について】
・ KADOKAWAとドワンゴが作った学校である。
・ 既存の通信制高校の枠組みの中で、現代の子供の新しいニーズに合った高校をネットを通して実現しようとしている。
・ 不登校を経験した生徒も多いが、一方で、スマホに聞けばわかる時代に、黒板を通しての一方通行の授業に意味があるのか?と気づき始めた学生が、N高等学校で学びたいと志望している。
 
【大きなテーマ】
・ ネットで高校生活を実現する。学力・地域・経済格差によって、通常の学校では学習することが難しい子供たちも、ネットを通して自分のペースで学習することができる。講師1人で同時に1000人でも授業を提供できるのもネットの強み。
・ 人生を変えるような体験を提供する。約8割近い高校生が、高校時代に進路や職業に関する体験を得られていないというデータもある。N高等学校では、色々な業界のプロから学ぶことができる。
 
【特徴】
・ 校務をほぼIT化しているので、教員は勉強を教えるだけではなく、勉強方法や将来の目標などを共に考える時間に充てることができる。
・ 子供たちからのN高等学校なら通いたいという声も多く、通学コースを用意。代々木キャンパスには、約200名の生徒が通っている。
・ ネットだけではなく、リアルでの経験を非常に大切にしている。
 
【学習方法】
・ 自発的な取り組みを大切にしている。自由な時間に自由な場所で、スマホやPCさえあれば学習することができる。
・ 映像学習・確認テスト・レポート提出を基本としている。
・ ニコニコ動画での知見を活かし、課外授業アプリはすべて参加型。クイズへの参加、挙手、質問等、ドワンゴだからできる生徒を飽きさせない仕掛けが用意してある。
・ ログイン情報、学習情報等、進捗状況を教員が確認することができるので、レポートの期限が遅れている生徒には電話でフォローしている。
・ ネット学習とリアル学習を組み合わせており、1年のうち5日間は教員と生徒が顔を合わせて授業を行う。教員はここで最高の授業を行う。
・ N予備校というアプリでは、ドワンゴ x プログラミング授業や、KADOKAWA x 文芸小説創作授業のようなユニークな授業だけではなく、塾と同じレベルの大学対策も行う。
・ 日本各地に泊まり込みで、職業体験ができる。
・ 国際教育プログラムでは、スタンフォード大学で2週間、世界中の子供たちと教育を受けられる。
 
【コミュニケーション】
・ Slackというコミュニケーションアプリを利用している。ホームルームもここで行う。同じ趣味を持つ生徒同士で交流もできる。
・ ネット部活(将棋ゲームやサッカーゲーム)、ネット遠足(オンラインゲーム上に集合し、一緒に敵を倒す)等、ネット高校ならではのユニークな取り組みを行っている。
・ その他にも超会議での文化祭や、各地でのオフ会を開催している。
 
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上木原様の「ICTを手段として、子供たちと真剣に向き合う時間を取り戻す」という言葉が、胸に刺さりました。より多くの子供たちの可能性を広げるには、教育現場で改善・改革すべき点は多く、今回の勉強会を通して、そのための大きなヒントを得られた気がします。
 
講師をお務めいただいた上木原様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
 
 

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