8月28日、会員向セミナー「マイナンバー制度・マイナンバーカードの現状と今後の展開」を開催しました

2017年8月28日、「マイナンバー制度・マイナンバーカードの現状と今後の展開」をテーマに会員向けのセミナーを開催いたしました。
   
   
今回講師をご担当頂いたのは、総務省自治行政局住民制度課長の阿部知明様および内閣官房番号制度推進室課長補佐の浅岡考充様のお二人です。
   


   

冒頭は概況として、現在のマイナンバーカードの交付率と住民票の写し等が取得可能なコンビニ交付サービスの普及状況について言及があり、2017年5月15日現在の人口に対する交付枚数率が9.0%であることと、7月からはマイナポータルの試行運用が開始されたため、今後の普及が見込まれることについて説明がありました。
   
一方、マイナンバーカードに格納された電子証明書等を活用する公的個人認証サービスは、総務大臣の認定を受けることを前提に民間事業者へも利用が開放されていますが、2017年3月27日時点では、プラットフォーム事業者8社、単独のサービスプロバイダー2社がこの認定を受けている、との説明がありました。
具体例としては、サービス契約締結時の本人確認の自動化、証券口座開設時のマイナンバー取得及び本人確認、非対面での不動産取引時に本人確認記録を自動生成、住宅ローン契約手続を電子化するサービスなどが挙げられ、その他、マイナンバーカードの空き領域を利用した例として、自社職員の入退出や端末操作の権限確認の認証に使われる事例についてもご紹介がありました。
   
このような公的個人認証サービスを利用することのメリットとしては、①従来の手続き方法に比べ、安価で迅速な顧客登録(オンライン口座などのアカウント開設)、②電子証明書の利用による顧客情報の「異動なし」の把握と「更新の契機」の把握、③ID・パスワード方式のログインと比較して、格段に強固なセキュリティと確実な本人確認、④キャッシュカード・クレジットカード・ポイントカードなどのお客様カードの代替、などが挙げられ、確実な本人確認やコストの削減等の面でメリットがあることが分かりました。
   
また、マイナンバーカードに組み込まれた電子証明書情報を読み取る方法として、読み取り機能に対応したスマートフォンが登場しているとのお話があり、①スマートフォンをICカードリーダーとしてのみ利用し、Bluetooth通信系由でPCに情報を送り、PCから電子申請等を実行する方式から、②スマートフォンで読み取り、そのままスマートフォンから電子申請等を実行する方式、さらには③スマートフォンそのものに電子証明書を格納する方式(平成31年度中の実施を目指している)などが予定されていることが分かりました。
   
   
次にマイナポータルについて説明を頂きました。
マイナポータルにログインするためには、マイナンバーカードによる認証が必要で、自分の個人情報の確認、行政機関や民間企業からのお知らせ、行政機関のやりとり履歴、公金決済、サービス検索等が利用可能となります。
   
このうち、特徴的な利用シーンとして挙げられていたのが、子育てワンストップサービスです。認可保育園への入所申請や児童手当に関する現況届については、役所の窓口へ赴いたり、書面を作成して郵送したりする必要があるところ、マイナポータルを利用すれば、オンラインでこれらを実行することができる、というものでした。
マイナポータルの機能は外部にもAPIとして公開されており、例えば、ローン審査時における所得情報や民間保険加入時に必要な健康診断情報などについてもマイナポータル経由でオンライン提出することが可能となるそうです。
   
このほか中央官庁では、マイナンバーカードを入館証として利用していることや東京オリンピックの際の入場証にすることについても検討を進めていることなどについても触れていただき、マイナンバーカードの活用方法がより一層広がっていくことに期待を膨らますことができました。
   
阿部様、浅岡様、お集まり頂いた会員のみなさま、誠にありがとうございました。
   
   
   

提言・ニュース