8月22日、会員セミナー「『限界国家』から考える外国人受け入れ~企業が知るべき現状と課題~」を行いました

2017年8月22日、会員セミナー「『限界国家』から考える外国人受け入れ~企業が知るべき現状と課題~」を行いました。
   
   

   
   
『限界国家』は、本年6月に出版された外国人受け入れ問題を扱う書籍であり、今回はその著者である、日本国際交流センター執行理事の毛受敏浩様に講師としてお越しいただきました。
   
   
   

毛受敏浩 様(日本国際交流センター執行理事)
   
   
冒頭、毛受様は、2020年代で600万人減少、2030年代で800万人減少という、我が国における人口減少の現実を踏まえ、その上で外国人受け入れの必要性について訴えられました。
毛受様によれば、日本は、いわゆるホワイトカラーについては外国人受け入れに積極的ですが、ブルーカラーについては、技能実習生や留学生の資格外活動等、極めて制限された状態であるとのことです。
   
「移民」という言葉は国連の定義では「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12ヶ月間当該国に居住する人のこと」を指し、これに則ると、技能実習や留学生数の目標等も一種の移民政策ということになります。また現在、特段の制度変更がないにも関わらず、在留外国人は全ての都道府県で増加し、それらを合わせると年間15万人ずつ増えているのが実態です。
これを踏まえて毛受様は、「移民政策を採らなければ移民問題は起こらない」は間違いであり、上のような現実を直視した上で、それに基づいた対応が必要である、と強調されました。
   
〇毛受様提案の政策
・入国割り当て政策:
 親日国から、一定の学歴・職歴を持ち日本語が一定レベルできる若者を段階的に受け入れ
・ソフトランディング政策:
 定住可能性のある外国人に日本語教育機会、職業訓練、その他の受け入れ態勢を整える
   
「移民政策とは、その国にとって必要な人材をセレクティブに受け入れるもの」
毛受様は、このような基本を踏まえた上で、「ドイツではスタートアップの4割が移民による起業」というデータを引き合いに出し、「外国人受け入れによって生み出される『多文化パワー』が社会に活力をもたらし、日本人にも外国人にも良い影響を与える」と強調されました。
   
   

   
   
外国人の受け入れは、人口減少に対応するための選択肢の一つとして考え得る重要な課題であり、今回のセミナーはそれを議論する良い契機になったと思います。
   
講師をお務めいただいた毛受様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
   
   
   

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