コラボイベント「Osaka Innovation Hub × 新経済連盟 オープンセミナー」を大阪にて開催しました


   
2016年7月29日、大阪イノベーションハブにて、新経済連盟にとって初のコラボイベントとなる「Osaka Innovation Hub x 新経済連盟 オープンセミナー」を開催しました。このイベントは9月6日開催の「KANSAI SUMMIT 2016」のプレイベントも兼ねています。
(KANSAI SUMMIT 2016の詳細はこちら http://jane.or.jp/kansaisummit/2016/
   
新経済連盟幹事の辻庸介氏(株式会社マネーフォワード 代表取締役社長CEO)に講師をお務めいただき、「リスクのさらに先へ。何が僕の背中を押したのか? ~FinTechのリーディングカンパニーCEOが語る、起業から現在までの軌跡~」と題した、インタビュー形式の講演が行われました。
   
   
辻氏は大阪市出身。インタビュアーは、バンカーとして15年ものご経験を持ち、起業家でもある大阪イノベーションハブ統括プロデューサーの長川勝勇氏。長川氏の鋭い質問や合いの手に、辻氏も本音をつい引き出され、ユーモアたっぷりの関西弁でのトークに、会場は最初から最後まで笑いと熱気に包まれました。
   
その「熱気」を文字と写真だけでは伝えきれないのが残念なのですが、以下、講演抄録となります。   
   
   

   
最初は高田馬場のマンションの一室で数人で始めた。その頃は夢しかなく、ホワイトボードにみなで夢を描いて盛り上がっていた。ゼロから創っていく興奮があった。みなで一緒になって取り組んでいくと、「自分のプロジェクト」だったものが「みんなのプロジェクト」になっていく。そうやって団結したチームが形成されていった。
   
成長の節目は、チームメンバーが「これからはスマホの時代」と気づいたとき。業界で最初のスマホ版の個人向け自動家計簿・資産管理サービスを作り、これが当たった。マクロが動くときはマーケットが動くときだと思う。日ごろからマクロな情報を効率的に入手し、潮目をつかむよう心がけている。そして、重要なのは情報を元に仮説を立てること。思考の整理のために考えを書き出すことも大切。それから、直感を大切にすること。嫌な予感は無視してはだめと経験から学んだ。とは言え、正解なんて誰もわからない。とりあえずやってみるしかない。
   
   
規制産業の中でイノベーションを起こしていくのは当然難しい。米国のベンチャーは「グレーなら突っ込め」という風土だが、日本は違う。しかし、日本にもグレーゾーンに突っ込んでユーザーのニーズを喚起し、市場を切り開いた事例も数多くある。ベンチャーも新経済連盟のような団体を活用して、ユーザーに本当に価値があるものならばチャレンジしたらいいと思う。規制の壁を越えるのは大変だが、一旦越えるとそれが参入障壁になる。越えたら高い壁は逆に参入障壁になるかもしれない。  
   
大企業だと物事がシンプルでなくなり、「何のためにやっているのか?」がぼやけてきがち。一方で、スタートアップはシンプルだ。ステークホルダーは自分たちのみで、頼るものはユーザーしかいない。だからユーザーにとっての価値を追求するしかないと思っている。
   
テクノロジーとビジネスモデルは両輪。新しいサービスを作るときは、ビジネスモデルも新たに開発せねばならない。ユーザーはサービスに価値を感じればお金を払ってくれる。我々がなすべきことは、サービスを磨いてユーザーに価値を提供し続けることのみと考えている。
   
起業当初から、「これがあれば必ず人は幸せになる、それを作りたい」という想いを持って走り続けてきた。ユーザーにとって価値のあるものを生み出し続けたい。
   

   

   
   
辻氏のスピーディーなトークに、参加者全員がぐっと聞き入り、あっという間に1時間が経ちました。最後に辻氏の「自分の出身地、大阪・関西が元気になってほしい」という力強いメッセージをもって、講演が幕を閉じました。
   
グランフロント大阪7Fを拠点とする「大阪イノベーションハブ」は、2013年に大阪市により開設された「大阪から世界へ」をテーマに起業家や技術者が集まるビジネス創出支援拠点です。
   
新経済連盟は、近畿・関西圏での活動の一環として、本コラボイベントを今後も継続的に開催していく予定です。 
最後に、大阪市・大阪イノベーションハブの皆さま、ご参加くださった皆さまに心からお礼申し上げます。
   
   
   
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