「日本発のE-Commerce企業におけるビッグデータ戦略と未来への課題」と題して勉強会を開催しました。
10月度の勉強会は、楽天株式会社執行役員兼楽天技術研究所長、ビッグデータ部副部長の森正弥様より、「日本発のE-Commerce企業におけるビッグデータ戦略と未来への課題」をテーマにお話を頂きました。
楽天株式会社では、2003年以降に発生した情報爆発(インターネット上のデータ通信量の急増)に対応するためにビッグデータ関連部署を創設し、大規模基盤を構築し対応に当たっていることや、今後大きく成長する技術のシーズから、インターネットを活用した人々の生活(リアリティ)を豊かにするNext Realityの構想を掲げていることなどに関して、自他社の事例の紹介を交えながらご説明頂き、参加者の関心を寄せていました。
大容量データを活用した情報分析の例としては、実店舗の商品にスマートフォンをかざすだけで、その商品が人気商品であるか、他の顧客や友人の評判はどうなのかなどが視覚的に表現されるAR-HITOKEと呼ばれる拡張現実型のソーシャルサービスに関するお話しや、同様に商品にスマートフォンをかざすだけで、その商品の現在の価格が買い時であるかを知らせるDecide.comが提供する意思決定支援サービスなどについて、ご紹介頂きました。
これらのサービスを実現するためには、数百のECサイトに掲載されている商品価格やニュース、メーカーの情報、プレスリリース、消費者のブログなどをクローリングして蓄積された情報を分析した上で、リアルタイムで実空間情報との統合を図らなければならず、従来の構造化された情報活用モデルとは異なる非構造型の情報活用モデルを処理していく必要があるとの説明がありました。
今後は、口コミ情報、位置情報、直近の店舗までの経路情報、在庫情報などの多元的な情報を統合していかなければならないビジネス上のニーズも発生しており、これを如何にして処理していくかが、今後の課題であるとの説明がありました。
非常に充実した内容で、予定されていた時間を最大限に使ったご講演となりました。
参加者の中には専門的な知識をもたれた方も多く、勉強会終了後には、森講師への質問のために長蛇の列が生まれ、話題に花が咲いていました。
森講師及びご参加された皆様ありがとうございました。