「JX Live!2024」開催レポート
新経済連盟(以下「新経連」)の周年イベント「JX Live!」。その第2回となる「JX Live!2024」を、10月9日、いま東京で最も注目されているビジネスエリアの一つである虎ノ門で開催しました。本イベントは「政策ラウンドテーブルセッション」・「JX Awards表彰式」・「JX Challenge/ネットワーキングパーティー」・「特別ディナー」の4つのコンテンツで構成され、日本経済の再活性化に向けた新経連の政策メッセージを広く発信するとともに、新経連に共感いただく皆様のコミュニティの力をさらに高めていくことを目指すものです。開催当日は、一日をとおして20℃を下回る肌寒い天候のなか、約500名の皆様にお集まりいただき熱気溢れるイベントになりました。
開催に先立ち、「JX Live!」の概要をスペシャルナビゲーターのお2人からお話いただいたのち、「人、知、金を世界から日本に呼び寄せよう」というJXのメッセージを込めたオープニングムービーで開幕。ムービーに続いて三木谷代表理事からのオープニングスピーチが行われました。
スペシャルナビゲーター:
吉田 浩一郎(新経済連盟 理事/クラウドワークス CEO)
藤本 あゆみ(スタートアップエコシステム協会 代表理事)
藤本 あゆみ(スタートアップエコシステム協会 代表理事)
【ラウンドテーブル】
海外ゲストを交えて、デジタルエコノミーにおける国際競争を勝ち抜くために必要な施策について議論し、日本が取るべきグランドデザイン戦略について提言しました。税率を引き下げて⽇本経済活性化を促し、税収を増やして再び国内投資へとつなげる「税と成⻑の好循環」を確立することの重要性を多くの登壇者が指摘しました。また、政治的リーダーの決定過程に対し国民各層の意見をより反映させる方策の検討、意欲ある労働者が時間に縛られずに働くことを可能にすること、世界中から人材や技術を受け入れ投資を呼び込むことなども指摘され、既得権益にとらわれることない強いリーダーシップに基づく各種規制改革の断行が必要との見解が示されました。
登壇者:
三木谷 浩史(新経済連盟 代表理事/楽天グループ 代表取締役会長兼社長)
大槻 奈那(名古屋商科大学大学院 教授/ピクテジャパン シニアフェロー)
ティムラズ レジャバ(駐日ジョージア大使)
ジュリア ロングボトム(駐日英国大使)
モデレーター:
辻 庸介(新経済連盟 幹事/マネーフォワード 代表取締役社長CEO)
2つ目のセッションでは日本がAI強国になるための具体的な戦略や規制のあり方について、官民の視点から多角的に議論されました。具体的には、生成AIの開発と利活用を促進し、規制のあり方を柔軟に対応することが提言されたり、データの活用と安全性の確保がカギであり、企業間でのデータ共有や透明性の確保が求められることが指摘されたりしました。このほか、AIスタートアップの育成と支援が重要であり、政府と民間が連携して取り組む必要があることが提言されました。なお、新経連では23年11月に会員企業が参加するAIコミュニティを立ち上げ、開発・利活用の事例を紹介したり、政府関係者を招いてガイドライン等の解説などを行ったりしていることも紹介されました。
登壇者:
内藤 裕紀(新経済連盟 幹事/ドリコム 代表取締役社長)
林 達(ストックマーク 代表取締役CEO)
村上 明子(AI Safety Institute 所長/損害保険ジャパン 執行役員CDaO)
小森 たくお(衆議院議員)
モデレーター:
工藤 郁子(大阪大学 社会技術共創研究センター 特任准教授)
「アントレプレナーシップ教育の実現~学校は10万人のスタートアップ経営者を生み出せるか?~」をテーマに、今後学校がどういう役割を果たすべきか、 政府及び民間がすべきことについて議論されました。新経連では昨年から次世代教育ワーキンググループ(WG)を発足し、今年の4月に発表した「次世代教育の実現に向けた政策提言」では、アントレプレナーシップ教育の実現を柱の一つに据えています。学校現場と地域企業との連携プログラムやデジタル教育の普及などについて紹介があった後、アントレプレナーシップ教育を学校現場に本格的に導入してくために、官民連携のうえ、次期学習指導要領に盛り込む議論を重ねていくことの重要性について語られました。
登壇者:
船津 康次(新経済連盟 幹事/トランスコスモス 取締役 相談役)
細田 眞由美(さいたま市教育委員会前教育長/兵庫教育大学客員教授)
讃井 康智(ライフイズテック 取締役 最高AI教育責任者(CEAIO))
モデレーター:
田中 沙弥果(Waffle 理事長)
最後にラウンドテーブル④「GXスタートアップと語る、日本の脱炭素成長戦略~日本発GXユニコーン創出に向けて~」を開催いたしました。グローバルな脅威である気候変動を前に、新経連では2022年からカーボンニュートラルワーキンググループ(WG)を立ち上げ、2023年4月には政策提言「新経済連盟 カーボンニュートラルビジョン」を発表しています。このセッションではWGメンバー企業・政府機関や有識者を中心に、日本でGXスタートアップの活躍を促進するために必要な施策や、社会全体のGXリテラシー底上げの必要性等について、激論が交わされました。新経連らしい、スタートアップの目線からの臨場感ある議論で「JX Live!2024」を締めくくるに相応しいセッションとなりました。
登壇者:
青井 宏憲(booost technologies 代表取締役CEO)
吉野 巌(マイクロ波化学 代表取締役社長CEO)
伊吹 信一郎(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/スタートアップ支援部 主査)
成井 五久実(インターホールディングス 代表取締役社長CEO)
モデレーター:
竹内 純子(国際環境経済研究所理事・主席研究員/東北大学特任教授/U3イノベーションズ合同会社 共同代表)
ここで行われた議論を参考に、「日本の国力を高めるグランドデザイン戦略」、「『AI強国』に向けた戦略」、「アントレプレナーシップ教育の実現」 、「日本の脱炭素成長戦略」を柱とした「JX(Japan Transformation)宣言2024」という形でメッセージをまとめて公表しました。
今年で3年目となる「JX Awards」は、大賞1名、選考委員特別賞3名の計4名を第一線で活躍する5人の選考委員の投票により選出し、イベント当日に表彰式を行いました。表彰式では選考委員からお祝いのメッセージとトロフィーが贈呈され、受賞者からもスピーチをいただきました。アメリカから来日してくださった古賀CEOをはじめ、これからの世界をリードする日本発の企業の経営者、今年まさにIPOを実現した経営者といった、まさに日本を代表する若手経営者が集い、選考委員一同から、そして会場にいた全ての参加者から、JXの体現者にエールが送られました。
【JX Challenge】
ラウンドテーブル後、パーティー会場にて昨年大好評をいただいた会員企業による自社PRタイムを、今年は「JX Challenge」としてパワーアップして開催しました。応募の中から選ばれた10社のチャレンジャーが各社90秒の持ち時間で自由に自社をPRいただきました。新経連理事・幹事を中心としたジャッジ・チームに加え、会場参加者にも投票していただいた結果、TOUCH TO GOの阿久津智紀代表取締役社長をチャンピオンを選出し、阿久津さんには特別ディナーへご招待いたしました。自社のマスコットキャラクターと一緒に登壇する企業があったり、各社非常にバラエティに富んだ発表内容で会場参加者も大いに盛り上がりを見せました。「JX Challenge」後のネットワーキングパーティーでは、終了直前まで名刺交換が絶えず、会場は大いに盛り上がりました。
チャレンジャー:
阿久津 智紀(TOUCH TO GO 代表取締役社長 JR東日本スタートアップ株式会社シニアマネージャー)
飯田 安紗美(トレンダーズ常務執行役員 ampule Div.統括/パラナビ事業統括/ampule magazine 編集長)
大西 泰平(スタメン 代表取締役社長CEO)
神谷 渉三(I’mbesideyou 代表取締役社長)
クレシェンコ アンナ(Flora 代表取締役)
大丸 徹也(Relic 取締役CRO l Co-Founder)
高瀬 雅弘(フラクタルワークアウト 代表取締役社長)
友田 行洋(アンバー・アセット・マネジメント 代表取締役社長)
深田 亜矢子(深田電機 専務取締役)
前田 和毅(ラクモン 代表取締役CEO)
ジャッジ・チーム:
鉢嶺 登(新経済連盟 理事/デジタルホールディングス 代表取締役会長)
伊地知 天(新経済連盟 幹事/ Creww 代表取締役)
江幡 哲也(新経済連盟 幹事/オールアバウト 代表取締役社長兼グループCEO)
真田 哲弥(新経済連盟 幹事/KLab 取締役会長)
大西 利佳子(コトラ 代表取締役)
藤本 あゆみ(スタートアップエコシステム協会 代表理事)
【特別ディナー】
ご協賛各社、セッション登壇者、「JX Awards」受賞者、「JX Challenge」優勝者をご招待し、当連盟理事・幹事を含めたネットワーキングを目的とした特別ディナーを、「アンダーズ東京」51階のTOKYO STUDIOで開催しました。ディナー中には、藤田晋副代表理事のモデレートのもと、清水慎治 東映アニメーション顧問、大西洋 羽田未来総合研究所代表取締役社長(元三越伊勢丹HD社長)をお招きし、「Beyond Cool Japan を考える ~アニメと匠の技で世界に挑む仕掛け人~」をテーマとしたスペシャルトークセッションも開催いたしました。着座形式のディナーでしたが、最後は皆様テーブルの垣根を越えて立食パーティーさながらに会話をするほどに非常に盛り上がりました。
4つの政策ラウンドテーブルセッション、3回目となる「JX Awards」表彰式、ネットワーキングパーティー、「JX Challenge」、そして特別ディナーに至るまで、全てが想定をはるかに超える成功を収めることができました。ご協賛各社様、ご登壇の皆様、そしてご参加いただいた皆様に心からお礼申し上げます。
2022年の10周年を機に打ち出した「JX(Japan Transformation)」というメッセージが、この「JX Live!」を通じて拡がっていることを実感します。
新経済連盟は今後も参加者の皆さまに満足いただけるようなイベントを開催していきたいと考えています。次回の開催もぜひご期待ください。
提言・ニュース