2022年 代表理事 年頭所感
一般社団法人 新経済連盟を代表して、新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、政府・自治体の関係者各位のご尽力によって国内の新型コロナワクチン接種が一気に進みました。医療・介護関係者の皆様におかれましても、引き続き献身的にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
また、新経済連盟としましても、会員企業各位の多大なご協力を賜ることで、会員企業に対する新型コロナワクチンの職域接種の推進などに取り組み、感染拡大の防止や経済活動の再開に貢献してまいりました。お力添えくださった会員企業各位及び強力なご支援をいただいた政府関係者各位には改めて御礼を申し上げます。
最近では新たに報告されたオミクロン株の感染が世界的に拡大しているため、まだまだ予断を許さない状況です。新経済連盟としては今後も会員企業に対して新型コロナワクチンの職域接種に関する情報提供などに努めていく所存です。
経済の主役はデジタル関連産業など新しい産業へと確実に変化しています。昨年はついにデジタル庁が設置され、規制改革関連では「デジタル臨調」が、地方創生関連では「デジタル田園都市国家構想」がそれぞれ新たに打ち出されました。そのほかのあらゆる政策分野においてもデジタル化が議論の中心になっています。私もデジタル庁の下に設置された有識者会議(「デジタル社会構想会議」)に構成員として参加し、『Innovate Japan by Digital』と題して、デジタル人材確保のための移民政策の必要性や、アナログ原則の撤廃などについてプレゼンしました。また、昨年立ち上がったデジタル臨調では、デジタル改革、規制改革、行政改革の全てに通底する「デジタル原則」が策定されました。これによって、新経済連盟が従来から提唱してきた「デジタル完結原則の徹底」の実現に一歩近づいたこととなります。しかし、我々が提唱してきたのは「徹底」です。新経済連盟としては、デジタル臨調の下での全ての改革に当たって「デジタル原則」が徹底されていくか注視してまいります。
一方で、現在、政府でもフィンテック関連、消費者政策関連をはじめ、様々な分野で各種規制強化の議論がされています。そうした動きがアナログへの回帰や不合理な規制強化といった時代の流れに逆行する動きにつながらないか、経済団体としてしっかりとチェックしていかなければなりません。
日本は、カーボンニュートラルやクリーンエネルギーなどの世界的な政策課題にもより一層力を入れていかなければなりません。また、新経済連盟は、従来からダイバーシティ&インクルージョンを推進してきました。引き続き、人種、信条、性別、社会的身分又は門地などの違いによらず全ての人が能力を発揮し、自分らしく働けるダイバーシティに富んだ社会の実現を目指してまいります。
本年は、夏に参議院議員選挙を控えています。各政党のマニフェストに影響を与えられるよう、攻めのロビイングを続けてまいる所存です。抜本的な減税・税制改正、ALLキャッシュレスを目指す「ゼロキャッシュ政策」、デジタル化を阻害する規制の撤廃等各種の規制改革など、日本経済の中長期的な課題を見据えて積極的に政策提言を行います。
ついに今年、新経済連盟は活動開始から10周年を迎えます。新経済連盟は、2012年6月に前身のeビジネス推進連合会から改組・改称し、加速度的に変化する時代を今日まで駆け抜けてきました。「イノベーション」、「アントレプレナーシップ」、「グローバリゼーション」を旗印とする新経済連盟の活動に完成はありません。将来の新経済連盟を担っていく若い経営者の方々の参画も賜りながら、常に一歩先の未来を見据えてこれからも活動を続けていきます。10周年という節目に当たり、新経済連盟はアントレプレナーの力で日本を根本的に変えていく、「Japan Transformation」を新たに掲げます。6月には記念書籍の出版や大規模な10周年記念イベントを予定しています。10周年記念イベントは、6月1日開催予定です。このイベントは、これまでの10年間の総括にとどまらず、次の10年に向けた新たなスタートでなければなりません。より多くの方々に新経済連盟の意義を共に考えてもらえる1日になるよう、鋭意準備を進めてまいります。
日本経済が世界と伍していくために、新経済連盟に求められる役割は日々拡大しています。新経済連盟にとって新たな10年の幕開けとなる本年に良いスタートダッシュを切れるよう、精一杯努めてまいります。本年も皆様の変わらぬご支援・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
2022年1月1日
一般社団法人 新経済連盟
代表理事 三木谷浩史