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総務省が意見募集していた「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」報告書案に関して意見を提出しました。
(総論)
1.パーソナルデータ活用の経済的・社会的意義をより明確に分析したうえで、パーソナルデータの利活用の促進とプライバシー保護との調和を図るという視点をより明確に盛り込む必要があります。
(P21~34 第3章第1節関係)
2.保護されるパーソナルデータの範囲のメルクマールとして、「実質的個人情報識別性」が提案されていますが、外延が不明確であり、プライバシーの観点からの具体的な保護の必要性が必ずしも明らかになっておらず何が問題になるのか判然としません。また、「一般パーソナルデータ」「慎重な取扱いが求められるパーソナルデータ」「センシティブデータ」という区分けや例示、明示及び黙示の同意の概念等もあいまいであり再検討が必要です。取得、利用、第三者提供等といった利活用時点の違い、利用する主体が複数かどうか、データ利用目的の違いなどの利用パターンを精緻に分析し、個々にどのような問題がありプライバシーとの関係でどのような問題を生じさせるのかを分析する必要があります。
(P35-38 第3章第2節関係)
3.利活用の枠組みの本格的な実施のための方向性として、プライバシー・コミッショナー制度の導入が前提であるようにも見えますが、パーソナルデータの利活用促進の観点からの評価や国際的な動向等も十分に見極めたうえで最終的に採用するべき方策を十分な議論を経て決定するという過程を確保することが必要です。この件を議論するためには、データの利活用の促進とプライバシー保護の調和が十分図られることが重要であり、データ利活用の促進に知見を有する機関を中心に様々な主体の意見が反映できる体制を構築すべきと考えます。
4.EUから第三国への個人データ移転制限が行われていることに対して、EUに展開している日本企業が多大な負担を負うことを回避する必要があります。その観点から、政府全体として、日本におけるプライバシー保護への取り組みをアピールするとともに、EUデータ保護規則案の修正や日本への特例措置を認めさせる等の強力な交渉体制を構築する必要がある点を盛り込むべきです。
(P39/40 アクションプラン関係)
5.関連技術としては、セキュリティの観点から種々の認証技術なども含め幅広く検討することが重要と考えます。
6.利活用ルールとしては、トラストフレームワークの仕組みなども含め諸外国の動向なども十分に見ながら幅広く検討することが重要と考えます。