【セッション】女性・若者が活躍できる社会への変革~supported by 新経済連盟~

12月16日(土)に群馬県主催の「湯けむりフォーラム2023」が開催されました。その中で行われたセッション「女性・若者が活躍できる社会への変革~supported by 新経済連盟~」では、新経済連盟(以下、JANE)から、会員企業のアクセンチュア株式会社執行役員の田中 慎二 様、株式会社サイバーエージェント執行役員の高井 里菜 様が登壇し、イノベーションの創出や経済成長に向けた新たな社会の構築についてトークを展開しました。本記事ではその様子を抜粋してお伝えします。

取材日:2023年12月16日
※JANE = 新経済連盟の英語表記”Japan Association of New Economy”の略称
▼新経済連盟 https://jane.or.jp/

<登壇者>
 小野里 寧晃 様(株式会社バニッシュスタンダードCEO/代表取締役)
 高井 里菜 様(株式会社サイバーエージェント執行役員)
 村上 采 様(株式会社Ay 代表取締役)
 田中 慎二 様(アクセンチュア株式会社 執行役員)
 ※以下、敬称略

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田中 慎二 様(アクセンチュア株式会社 執行役員)による進行の様子

「活躍」とは?
田中 それぞれの方の思いを伺いながらインタラクティブに進行できればと思っています。まず最初にこのお題を頂いたときに思ったのは、「活躍」と一口に言っても色んなイメージがあるよね、ということでした。そこでお三方には「活躍」の定義について伺いたいのですが、まずは高井さん、いかがでしょうか。

高井 広義なので難しい質問ですが、私の実感としては「意思がある方向にそれぞれのキャリアを進められる」ということかと考えています。女性活躍の視点では、リーダー輩出や幹部育成に注目が集まっていますが、必要以上に配慮するのではなく平等にチャンスを与えることが重要だと思います。

田中 村上さんはご自身で会社を立ち上げた経験から、活躍という言葉についてどう思われますか。

村上 やはり自分がやりたいことをできる社会が望ましいですし、それが結果に繋がれば「活躍」と呼べるのではと思います。

田中 小野里さんはいかがでしょうか。

小野里 好きなことを続けられることが活躍であり、そのための環境を提供することが経営面で重要だと思います。例えば「出産や子育てを経ると働けなくなる」などの現状を変えるために何ができるか。弊社のサービスで言えば、店頭に立たなくていい、オンライン接客を可能にするなど、好きな仕事を続けられる環境をきちんと提供し、後押ししていくのが重要だと思います。

高井 里菜 様(株式会社サイバーエージェント執行役員)

活躍しやすい環境とは?
田中 都市と地方といった、地理的な面での活躍しやすさ・しづらさなどは感じていたりするのでしょうか。

村上 地方の問題点として、身の回りに同世代の起業家が少ないことが挙げられます。私自身は東京の大学に友達がいて、定期的に上京して交流することでインスピレーションを得ているので、地元にこうした起業家仲間が少しずつ増えていくといいなと思います。

田中 同士である起業家仲間を吸い寄せるためには何が必要だと思いますか?

村上 周囲とのオープンな関係性や、新しい芽をつぶさない、チャレンジを応援する風土があることが大事かと思います。その結果が利益として地域経済に還元される、ということをより多くの人に知ってもらいたいとも思います。

小野里 私は前橋の出身ですが、上京する際に「リスクがある」といった指摘を多く受けました。ただ今思うと、地方だから難しいとかそんなことは関係なく、こういうセッションの場からでもいいので、どんどんチャレンジしていった方がいいということです。WebやSNSの普及で情報の格差がフラットになり、住む場所に関係なく繋がれる社会なので、昔よりも周囲の共感を得やすい環境は整っていると感じています。

小野里 寧晃 様(株式会社バニッシュスタンダードCEO/代表取締役)

女性・若者の強みとは?
高井 ネット中心の世の中になるにつれて産業の流行り廃りが早くなっており、その点、女性や若い世代の方はトレンドを捉えるのが早いと感じています。地域の魅力的なコンテンツをインフルエンサーが掘り起こしコラボするなど、色々なものが世界に発信される可能性が高い時代だと思っています。

田中 新しいトレンドへの反応という意味では、中高年など上の世代の人達がそれらをどのように取り入れていくかというところも重要と思っています。その点、サイバーエージェント社内の取り組みとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

高井 新しい技術やトレンドには経営層に近いほど年次関係なく敏感な人が多いと思います。中でも市場に変革が起きそうな兆候に対して経営メッセージとして全社として取り組む文化があります。例えば昨今話題の生成AIに関して、自前の講座受講を役員含めた全社員に義務付けるなど、新しい技術や潮流への感度が世代や性別に関係なく、能力の一部という位置づけになっていると感じています。

田中 かつては携帯電話などが新しいトレンドの象徴だったように思いますが、こうしたものを受け入れがたいものと捉えてしまう風潮が昔は強かったように思います。

小野里 もちろんこれまで日本を支えて頂いた世代の方々には感謝しつつも、新しいものを受け入れるのに上の世代の承認を得なければいけないという構造が依然として残っているのあれば、それは間違いなのではないかと思います。

村上 采 様(株式会社Ay 代表取締役)

活躍に必要な要素は?
田中 活躍する側の個人として何が重要な要素だったか、特に村上さんは地域の中で活動されてきていかがでしょうか。

村上 工芸品など、地元の魅力的な部分にポテンシャルがあることに気づけたことです。一方で、若い人なりの感性で工夫していける余地はまだあると思います。

田中 確かに、地方には魅力が沢山あると思いますが、住民自身がその魅力に気付いてないことが多いと思います。これらを外の目線から発信する際に、女性や若者の突破力といったものが非常に重要になってくるのではないでしょうか。

小野里 地元の人々と話しているとどこか自信がなさそうに見えてしまうことがあるので、「これは活用できるかも」と思ったらどんどんチャレンジしましょう!と伝えたいです。

田中 自信をもって行動するためには何が大切なのでしょうか?

高井 仲間の存在が大切だと思いますし、先輩や上司に背中を押してもらうことで壁を超えていけると思います。

セッションの様子

登壇者からのメッセージ
田中 最後に登壇者の皆さんから、これから活躍していく女性・若者や中高年に対して励ましのメッセージをお願いします。

小野里 老若男女、「好き」という気持ちは平等にあると思います。チャレンジはいつからでもできます。好きをあきらめないで活躍できる社会を一緒に作っていきましょう。

高井 女性や若者の活躍を進めていくには、経営側などトップが変わっていくことが大事だと思います。こうしたテーマでセッションが設定されたこと自体が大きなメッセージになり、共通言語が生まれ実際の行動に繋がっていくと思います。私自身もセッションを通して性別や年次関係なく活躍できる社会に向けて、もっと頑張っていこうと思いました。

村上 行動する意思がある人を側面から支えたり、一緒に何かできたらと思っています。私自身、これからも頑張り続けたいと思っていますのでよろしくお願いします。

セッション終了後、登壇者全員で写真撮影

▼湯けむりフォーラムについて
多方面で活躍する各界のトップリーダーなどが集まり議論と交流を交わすことで、群馬から新たな価値を生み出し、国内外に発信するための、群馬県庁最大の年次イベント。様々な分野でディスカッションを交わし、群馬県の政策に取り入れるとともに、群馬から世界の流れを創る「群馬モデル」を国内外に発信。
公式HP https://yukemuriforum-gunma.jp/

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