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関西支部活動

10月25日、大阪にてコラボイベント「Osaka Innovation Hub × 新経済連盟 オープンセミナー Vol. 2」を開催しました

2016年10月25日、大阪・梅田にて「Osaka Innovation Hub x 新経済連盟オープンセミナー」を開催しました。本年から近畿・関西圏での活動を本格始動させた新経済連盟が、大阪イノベーションハブとコラボして開催するイベントの第二弾は、新経済連盟幹事の伊地知天様 (Creww株式会社 Founder & CEO)に講師をお務めいただきました。
   
   
   

新経済連盟幹事 伊地知天 様 (Creww株式会社 Founder & CEO)
   
   
今回のテーマは「オープンイノベーション」。
スタートアップと大企業のマッチングプラットフォーム"creww"を運営し、スタートアップと大企業によるオープンイノベーションを70社以上の名だたる大企業と実施してきた伊地知様。Facebookが開発したソーラー・パワー・ドローンのAquilaが空を舞う写真をバックに、「『そんなことあり得ない』と思われてきたことが、今、実際に起こっている」と、我々が既に新時代に突入していることを示唆するインパクトのあるイントロから講演が始まりました。
以下、講演抄録となります。
   
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「スタートアップx大企業によるオープンイノベーションが担う未来 〜私たちは新時代へ舵をきれるか〜」
   
16歳で渡米して、高校時代を米国、カナダ、大学時代を米国で過ごし、その後、米国、フィリピンと日本で3つの会社を創業、2011年の震災を機に日本に戻ってきた。震災後の東北を目にして日本経済を元気にしたいと感じ、そのためには新しいビジネスを興していくしかないと強く思うものの、他の先進国に比べ日本は起業率が低く、日本発で世界に羽ばたくスタートアップが少ないことを実感していた。そこで、3社の起業経験をそれぞれ思い返し、当時何があれば嬉しかったかを考えながら作ったのがcreww(クルー)。スタートアップが必要な時に、必要なリソースにアクセスできる仕組みがあったらスタートアップエコシステムが活性化すると確信を持っている。crewwがその手法の一つとして実行するオープンイノベーションは、日本の大企業が持つリソースとスタートアップ企業の技術の橋渡しをすることで、イノベーションを起こしていくことである。
   
スタートアップとは何か?
   
日本では、「スタートアップ=生まれたての会社」という定義で理解されているが、実は世界的にはそうではない。世界では、新しい市場において新しいビジネスモデル、新しい価値を作りにいこうとする短期成長型の組織体、組織のスタイルのことを「スタートアップ」と言っている。そういう組織スタイルは「Sexy(魅力的)」と世界中で注目されており、「大企業の組むべき相手はスタートアップ」という方向に世界各地で舵が切られている。
   
「ベンチャー企業」の組織スタイルは、大きく「スモールビジネス」と「スタートアップ」の二種類に分類できる。既存マーケットの中で差別化をはかりながらビジネスを拡大する企業体がスモールビジネスで、ベンチャー企業の99.9%がこれにあたる。どちらがいい・悪いというのではなく、スタイルの違い、目的と組織のあり方の違い。スタートアップ企業のビジネスモデルは前例がないため、リスクマネーで資金調達することがほとんど。そのため、最短でのエグジットが求められ、必然的に短期成長型の組織体になる。 
   
アクセラレーターの役割 
   
スタートアップの典型的な成長カーブとしてよく引用される「Jカーブ」。スタートアップは初期には一部のコアなファンをつかんでいることが多い。一度成長がぐっと落ち込むが、その後、マーケットにフィットすれば一気にぐんと伸びていく。Jカーブの初期段階のスタートアップの価値評価で、売上げ規模や目の前で起こっていることを指標にすると見誤る。その時期のスタートアップは、たいてい「たいしたことがない」ように見えてしまいがちのため、評価する側に高度な「目利き力」が必要となる。ポテンシャルのあるスタートアップを見つけたら、仮説を立て、そこにリスクマネーを投じて、市場に当てながら検証して、マーケットフィットを探していく。
   
その「市場に当てる」役割を担うのが「アクセラレーター」で、海外の代表的なアクセラレーターにTechstarsやY Combinator、500 Startupsなどがいる。Techstartsが中心となって世界各地の70を越えるアクセラレーターが加盟するGlobal Accelerator Networkが結成されていて、crewwもメンバーになっている。
   
なぜ今、アクセラレーター、オープンイノベーションなのか?
   
最大の理由は、IoT (Internet of Things; モノのインターネット)の普及。どんな産業にもインターネットが横串で入り、インターネットに無関係な人がいない時代になった。しかも、変化、進化が以前と比べて圧倒的に速く、同時多発的に起こっている。生活者の行動様式もどんどん変わり、ビジネスもそれに合わせて変わっていかざるを得ない。その流れにAI、機械学習が加わった。2015~2016年は過渡期で、5年後の2020年には社会はガラッと変わっているだろうと言われている。
   
今起こっている変化についていけなければ、2020年はもっとついていけない。イノベーションのジレンマに陥っている大企業も「やるなら今」というマインドになっている。ただし、従来の自前主義でやっていたらとても間に合わない、だからスタートアップと組んで打開しようと。世界各地でオープンイノベーションが注目を浴びる背景には、こういった流れがある。今このトレンドは行政にも波及し、ニューヨーク、バチカン、ドバイなど自治体がアクセラレータープログラムを立ち上げている。日本でもここ1~2年、東急や朝日新聞、ガリバーなど、さまざまな業界でアクセラレータープログラムが生まれている。 
   
「creww」を運営して見えてきたもの
   
crewwを創業した4年前には、事業会社の事業アセット、つまり顧客基盤や事業をスタートアップに貸し出してイノベーションを一緒に作るという概念は、周囲に全く理解されなかった。しかし、試行錯誤で取り組んできた結果、今やマッチングプラットフォームの「creww」には約2,400社のスタートアップが登録、これまでに東京メトロ、アサヒグループホールディングス、セブン銀行、パナソニックをはじめとする70社以上が提供する企業アクセラレータープログラムを運営してきた。プログラム運営においてcrewwは、市場でのテストの設計からPDCAの実施とプロセス管理、効果検証、撤退・続行の決定に至るまで、全てのプロセスの伴走を行う。
   
「企業アクセラレータープログラム」を運営してわかったのは、プログラムに応募するスタートアップにとって、事業会社が提供する経営資源が魅力的か否かが重要であり、企業のブランドは関係ないこと。スタートアップが狙うのは、悪いアイデアに見える良いアイデア。大企業側も、先入観を持たずにスタートアップに接し、革新的なアイデアを一刻も早く市場に当てて検証すべきだ。それが良いアイデアか否かは市場が判断してくれる。
   
   
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会場には、これから起業しようとするアントレプレナーからスタートアップ、事業会社の方、ベンチャー支援企業の方、そして行政の方まで多様な参加者が集まり、交流会がお開きになるまで、「共創が生み出す未来」について、にぎやかに熱いディスカッションが交わされました。 
   
グランフロント大阪7Fを拠点とする「大阪イノベーションハブ」は、2013年に大阪市により開設された「大阪から世界へ」をテーマに起業家や技術者が集まるビジネス創出支援拠点です。
   
新経済連盟は、近畿・関西圏での活動の一環として本コラボイベントを今後も継続的に開催していく予定です。 
最後に、大阪市・大阪イノベーションハブの皆さま、ご参加くださった皆さま、そして講師を務めていただいた伊地知幹事に心からお礼申し上げます。
   
    
   

以上