【事務局レポート】アートが広げるビジネスの可能性 「新経連 京都アートツアー」

新経済連盟(以下、JANE)は、10月27日(金)・28日(土)に「新経連 京都アートツアー」を開催しました。現代アートに関心のある会員企業にご参加いただき、現代アートに関する日本最大級のイベントである「Art Collaboration Kyoto(以下、ACK)」のほか、世界で注目される若手画家である井田幸昌氏の個展などを巡りました。
なお、本ツアーは増田宗昭幹事が会長、井上智治幹事が代表理事を務める、カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(CVJ)との共同企画として開催しました。

取材日:2023年10月27日
※JANE = 新経済連盟の英語表記”Japan Association of New Economy”の略称
▼新経済連盟 https://jane.or.jp/

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「自社の事業でもビジュアルの観点でアートとのコラボの可能性は常に考えており、今回も秋の京都の新鮮な空気と相まって、良いアイデアが生まれそうだ」(会員企業経営者)――。

「新経連 京都アートツアー」に参加された会員企業から、このような感想が聞かれました。本ツアーは会員企業の経営者に現代アートの最前線を体感していただくとともに、相互に交流をはかっていただくことを目的として、昨年から開催しています。

ACK 会場風景

まずはACKの会場である国立京都国際会館で、会場ツアーを行いました。日本最大級の現代美術のアートフェアである同展は、今年は総勢16か国24都市から総勢64のギャラリーを迎えての大規模な開催となりました。

ACK 会場風景

国内のギャラリーが海外のギャラリーをゲストに迎え、1つのブースをシェアして出展するというユニークなコンセプトが特徴で、ジャンルを超えた様々なコラボレーションの形を目の当たりにすることができました。

ACK 会場風景

ある会員企業経営者からは、古典的な建造物にアートの要素を組み込んだ作品に惹かれた、という声が聞かれました。「日本らしさを基盤としつつも、特定のジャンルに縛られることなく、組み合わせは無限に考えられるのだという気づきがあった」。

ACK 会場風景

ACKでは、展示物を自由に買うことができるのも特徴です。「個々の作品のマーケティングという観点では非常に興味深いものがあった。」一方で、「『アートそのものをいかに文化・ムーブメントとして発信するか』という点では、まだ伸びしろがあるのではと感じた」との声も聞かれ、企業の力でアート界隈を盛り上げられるのでは、という経営者ならではの視点の鋭さを感じました。

その後は京都市京セラ美術館に会場を移し、世界が注目する若手画家・井田幸昌氏(写真中央)の国内初となる美術館での個展を、ご本人による解説付きで鑑賞しました。

作品を解説する井田幸昌氏

それぞれの展示スペースで直接お話を伺うことで、制作時における作家本人の心情に加え、背景にある問題意識を垣間見ることができました。

「解説を聴いて理解を深める前に、作品に込められた意図をあえて自分で考えるのもいい刺激になる。制作の背景に思いを巡らすことで、社会や自身が抱える課題への気づきに繋がる」と、作家本人による解説の「聞き方」を工夫している参加者もいらっしゃいました。

井田幸昌氏による展示作品群

ツアーを終えて、会員企業経営者からは「アートという共通項をきっかけに会員同士で交流し、つながりが強まるのはとても素敵なことだと思う」「作家や学芸員の方から直接お話を聞けるのは貴重な体験だった」と好評をいただきました。また、「アートというアプローチによる地域経済の活性化に可能性を感じた」という声も聞かれました。

ACK 会場風景

JANEはこれからも、イノベーティブな発想に繋がるアート体験を会員の皆様へ提供してまいります。

▼ACKについて
2021年にスタートした「現代アートとコラボレーション」をコンセプトに京都で開催するアートフェア。現代アートに特化したアートフェアとしては日本最大級で、日本と海外のギャラリー、行政と民間、美術とその他の領域などがコラボレーションする点が特徴。 JANEは2022年より後援団体として支援。
公式HP https://a-c-k.jp/

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