“【新経連and横浜!】東京だけが舞台じゃない!横浜のスタートアップ振興に迫る”を開催しました

■イベント名:【新経連and横浜!】東京だけが舞台じゃない!横浜のスタートアップ振興に迫る
■開催日時:2022年11月9日(水)15:00~16:00
■登壇者(順不同)
・大久保 智子 様(横浜市副市長)
・福島 正一 様(株式会社横浜銀行 営業戦略部ビジネスソリューションハブ グループ長)
・関 芳実 様(株式会社StockBase 代表取締役)
・菊原 美里 様(株式会社StockBase 取締役)
・北見 尚之 幹事(リスト株式会社 代表取締役社長)
・江幡 哲也 幹事(株式会社オールアバウト 代表取締役社長)*モデレーター

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新経済連盟(新経連)は、「新経連and全国!!」第5弾として、2022年11月9日に「新経連and横浜!」を開催しました。
横浜市は約380万人が住む日本第二の都市で、港町としての国際的で洗練されたイメージで広く知られていますが、そのスタートアップ事情に関する生の声を聞く機会はなかなかありません。近年の横浜市は、行政が民間企業や大学と連携して、様々なスタートアップ支援を実施しており、みなとみらい21地区と関内地区を中心に、次代を担う起業家が数多く生まれつつあります。

そこで、今回は横浜出身の二人の新経連幹部(北見尚之幹事、江幡哲也幹事)とともに、循環型プラットフォーム事業で注目されるStockBaseの代表取締役の関芳実さん、取締役の菊原美里さん、資金面でスタートアップを支援している横浜銀行の福島正一さんをお招きし、横浜のスタートアップ界隈の現状と課題について語っていただきました。

冒頭では特別ゲストとしてお招きした大久保智子副市長にご挨拶いただきました。大久保副市長は、スタートアップ成長支援拠点の「YOXO BOX」(2019年10月、関内に開設)において、ピッチを通じたVC・企業等とのマッチングの他、多くのアクセラレータープログラムが実施されていることなどに触れ、2022年3月末までの民間投資額が120億円を超えていることをご紹介いただきました。今回登壇いただいたStockBaseもYOXOBOXオフィスに入居しており、他の入居企業との情報交換・連携等に役立てているとのことで、この場所を中心にスタートアップのコミュニティが形成されつつあることが分かります。

そして、ここから江幡幹事のモデレートのもとで、各登壇者からそれぞれのお立場で横浜のスタートアップの現状についてご報告いただきました。

最初に、北見幹事からは、本社を構える関内エリアの今後の開発事業を中心に、横浜は都内や湘南にアクセスが良く、また、都内と比較して賃料が非常に安いため、スタートアップが起業しやすい環境であることなどの報告がありました。

次に、横浜銀行の福島さんからは、過去5年間で創業制度融資の実行件数が3.7倍に増加している実績の他に、助成金支援や融資相談会、ビジネスマッチング、大学と連携した学生支援等、様々な角度からスタートアップ企業の成長を後押ししている点などをご紹介いただきました。

最後にStockBaseの関さんからは、YOXOBOXで行われたピッチイベントの機会を通じて大企業のキーパーソンと繋がることができた経験を基に、自治体はじめ、民間企業、大学を含めた横浜の支援体制を今後も活用し、事業を拡大していきたいとの抱負を述べていただきました。

つづいて行われたディスカッションでは、各登壇者からさらに横浜で起業することのメリットや課題感が明らかになりました。

北見幹事は、パンデミックによってリモートワークの急速な普及により、都内から横浜に移り住む人も増えて、横浜の魅力が再発見されている現状を捉えて、今後は山下公園通りなどの歴史ある街並みを、さらに魅力あるものへと変えていく街づくりを進めていきたいと意欲を示しました。

また、横浜銀行の福島さんからは、『同じ港町である神戸を意識しての取り組みは何かあるか』という視聴者からの「難問」にお答えいただきました。福島さんは、横浜と神戸の双方に拠点を持つ企業を担当したご経験に触れ、横浜銀行としても、他の地域の動向は常に注目しており、特にスタートアップ支援での先進的な取組みで知られる神戸市については、参考に出来る点は取り入れていきたいと述べられました。

さらに、StockBaseのお二人からは、ともに在学している横浜市立大学の特色を中心にお話しいただきました。同大学では、ビジネスコンテストにアイディアを提出することで単位認定を受ける講義があって、それを履修したことがお二人の起業のきっかけであることや、休学が無料で可能なため、チャレンジできる環境が整っているとのご説明がありました。また、長野県出身の菊原さんは、横浜生まれの方々が暖かく迎え入れくれたことを例に、様々な文化が集まる横浜は非常に居心地が良い街だと述べられました。今後も多様性に寛容な街の特色が、様々な企業やビジネスモデルが生まれるよう、起業をめざす人たちのロールモデルになれるよう頑張りたいとのご発言もありました。

最後に、モデレーターの江幡幹事は、このセッションを総括したうえで、越境ECを例に挙げ、横浜に特区を設置し、物流、ロジスティクス、関税の手続きなど煩雑な手続きを解消できるような仕組みをパッケージとして導入することで、関連する企業の集積地になることができるのでは、と提案しました。また、今回のように横浜の魅力や潜在力を紹介するセミナーを今後も開催することで、新経連としても横浜のスタートアップ活性化に貢献したいと述べて、このセミナーを締めくくりました。

今回の【新経連and横浜!】に続き、今後も全国主要都市・注目の地域をテーマにセミナーの開催を予定してまいりいます。皆様ぜひご参加ください。

冒頭、大久保智子副市長より横浜市のスタートアップ支援についてご説明いただきました。

左から江幡幹事、福島 正一さん、菊原 美里さん、関 芳実さん、北見幹事

 

■【新経連and 全国!!】とは?
新経済連盟が、全国の各主要都市との繋がりを深め、相互の交流から新しい価値の創造を目指すプロジェクトです。それぞれの都市に本社を置く会員企業や注目企業の代表者から、地域に根を張り成長する企業の姿、いま直面する課題と今後の展望、さらには新経済連盟への要望などを率直に語っていただくことで、地域経済のリアルな現状や潜在力を広く発信し、今後の政策提言にも活かしてまいります。

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