デジタル化の徹底等による抜本改革についての三木谷代表理事コメント

一般社団法人新経済連盟
代表理事 三木谷 浩史
                                                                    

デジタル化の徹底等による抜本改革について

 本日、内閣府、規制改革推進会議及び四経済団体から「『書面、押印、対面』を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言」が公表された。その時に、当連盟としてコメントを発言したが、あらためて、その発言を整理して公表する。

1.書面押印対面原則の撤廃・抜本的見直しについては大賛成。本当に日本は遅れていると思っている。力強い変革を行っていただきたい。

2.世界は全く違う新しい世界に行こうとしている中、日本はデジタル化が非常に遅れている。対面原則の撤廃は何年もやっているが各論は進まない。今回こそはこれを押し切っていただきたい。

3.諸外国ではデジタルサインが今回のコロナ禍で完全にデファクトスタンダードになった。民民はそういう形で進んでいくのだろうと思う。一方で、行政の方に関して言うと、中央対地方という議論があるのだと思うが、本来は、中央政府が中心となってコンテナ化されたクラウドプラットフォームを作り、その中から地方政府が好きなアプリケーションを選んで簡単に構築できる。このコンテナ技術を使えば、かなり簡単な形でかつ柔軟な形で進められる。

4.このコロナによる経済ダメージ、この大きな危機を是非変革のチャンスととらえていただいて、日本のデジタルトランスフォーメーションを進めていただきたい。具体例でいうと、オンライン診療、オンライン服薬指導、あらゆる医薬品のネットでの流通販売、不動産取引のデジタル化、無人レジの促進、無人店舗の促進、オンライン株主総会の現実的な実施を許容する。そして、何よりも完全キャッシュレス化を進めていく。この辺については、新しいビジネスオポチュニティがいろいろ出てきて、単に日本の中の経済効率が上がるというだけでなく、新しい企業がどんどんと生まれてくる。新しい産業がどんどん生まれて、どんどん雇用が促進されてくる。

5.国際化が遅れているところがある。9月入学だったり、個人の税金が海外に比べて非常に高い。これから人の時代なので、デジタルトランスフォーメーションを進める上においても、海外から新しい優秀な人材の流入を促進していただきたい。

 

【参考】
民民での取引や業務実行等でも、法令上デジタル化を阻害する法令の規定や解釈(「アナログ10原則」※1)がある(遠隔教育の問題、遠隔診療・服薬指導の問題、要指導医薬品の対面販売規制の問題、不動産取引の重要事項説明や書面交付のデジタル化の問題など※2)

※1 「アナログ10原則」とは
 当連盟の提言「コロナ問題を契機とした規制・制度/経営・業務改革~デジタルXの未来を今に~」(2020年4月9日公表)の24ページ参照

※2 具体的事例は、当連盟の提言「コロナ問題を契機とした規制・制度/経営・業務改革~デジタルXの未来を今に~」(2020年4月9日公表)の10-20ページ、25-27ページ等を参照
 

以上

 

「『書面、押印、対面』を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言~デジタル技術の積極活用による行政手続・ビジネス様式の再構築~」 本文

提言・ニュース